キリストの力が私に宿るように、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう

　「皆さんは、弱さを考えますか。弱いことは悪いことでしょうか。嫌なことでしょうか。できればいつも強くいたいと思うでしょうか。

　この手紙を書いていたパウロもある「弱さ」を抱えていました。彼はその弱さのゆえに軽蔑されたり、人に信頼してもらえなかったりと、苦しむことになります。彼は真剣にこの弱さが取り除かれるようにと、神さまに祈りますが、彼の祈りは聞き届けられませんでした。でも、パウロはその弱さが与えられる理由を知りました。神さまは「力は弱さの中で完全に現れる」と告げ、パウロは「大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう」「私は、弱いときにこそ強いからです」と神さまの語られたことを受け入れます。

　これらの言葉からわかることは、弱さを覚える時に、自分の力ではどうにもならない時にこそ、神さまの力が私たちに働いてくださるということです。私たちが自分の弱さを自覚して受け入れ、神さまに祈り求めることを神さまは望んでおられますし、私たちも弱さの中でも神さまを祈り求めることで絶望しません。しかし、自分の弱さを受け入れること自体にエネルギーが必要です。つい自分を大きく見せよう、よく見せようとするのが私たちです。自分の弱さを誇ることすら、強さが求められるものです。

　また、自らの弱さを受け入れたとしても、神さまが与えてくださる力は、私たちが驕り高ぶることがないようにと、必要最低限かもしれませんし、私たちが欲しているものとは異なるかもしれません。しかし、私たちへの真を愛の故に、私たちの弱さや罪を全て背負って十字架で死なれたイエスさまが、復活されて私たちとともにおられます。この神の恵みに与り、弱さを誇りとしつつ、この世を歩みましょう。」（原　良介)